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February 25, 2018

 『AI vs.教科書が読めない子どもたち』 新井紀子 著

Aivs

↑ 人工知能の可能性と限界について、文系の人間にもわかるように、的確に説明した素晴らしい本です。
 世の中、AIが人間を超えてしまうかのような書籍や記事にあふれていますが、この本は、AIの本質的な「限界」についてもきちんとと論じています。
一人でも多くの人に読んで欲しいです。

この本を読むまでのいきさつについて、私事ながら書いておきます。

昨年だったか、ある弁護士が年賀状に

「最近読んだ本でもっとも衝撃と感銘を受けた」

と述べている本がありました。↓
Saito

そこまでいわれたら、と思って早速購入して、読み始めてはみたものの、最初の4分の1ぐらいで放り出してしまいました。

「ひどい本だな」とは思いましたが、ネット上には原則としてネガティブな事は書かないことに決めているので、黙ってアマゾンに古本として出品してしまいました。

しかし、気になっていたのは、AIが人類の能力をあらゆる分野でこえる地点「シンギュラリティー」が来るのか来ないのかという点でした。

自分の直感は

「来るわけない」

ですが、巷には触れる情報は、あたかも近い将来にくるようにように、煽り立てています。
上記の本の、著者の斉藤元章さんは、さまざまな場所で天才と賞賛されていました。
トンデモ本だとといって放り出している自分が傲慢なバカなのかなという思いが払拭できません。

そのうち、斉藤さんは、スーパーコンピュータ開発補助金を詐取したということで、逮捕されてしまいました。
しかし、ジョブスだって、運が悪ければ「山師で詐欺師」として生涯を終えた可能性があったわけだし、天才であるがゆえに、暴走したという可能性もあるだろうという思いもありました。
実際、そういう方向からの報道やコメントもネット上にはありました。

そういうわけで、AIについて、本質的な解説を読みたいと思っていました。
そうしたところ、東京新聞のコラムで、佐藤優さんが、この新井さんの本を激賞しておられたので、早速読んでみたわけです。

AIの現在の到達点と限界が、きわめてわかりやすくタネ明かしされており、「近未来にシンギュラリティがやってくる」という言説の問題点が、本質的なところから、よくわかりました。

数学者であり、国立情報研究所教授、同社会共有知研究センター長の新井さんは断言します。

「AIは神にはなりません」
「AIは人類を滅ぼしません」
「シンギュラリティは到来しません」

なぜなら、スーパーコンピュータであれ、量子コンピュータであれ、原理は数学に基づいており、「論理」「確率」「統計」以外の手法に基づく問題解決は、原理的に不可能だからです。
このことが、さまざまな例を用いて、きわめてわかりやすく説得的かつ論理的に解説されています。

だからといって、安閑としていてよいということではありません。
シンギュラリティは来ないけど、現在、人間がこなしている仕事の多くのうち「論理」「確率」「統計」で解決できる問題は、AI技術によって代替されてしまいます。

だとしたら、それを踏まえて次の世代には、どのような教育を施すべきなのか。
現在の教育政策は、それに相応しいものなのか。
教育学者でもある新井さんが検討し、提言します。

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